インフラの変化の流れ ― 物理から仮想化、そしてクラウドへ

1. はじめに:インフラの進化は“抽象化”の歴史

  • なぜ物理から仮想化、クラウドへ移行したのか
  • 共通のキーワード:効率化・柔軟性・スケール

2. 物理サーバの時代:すべてがハードと1対1だった

● 特徴

  • サーバは1台につき1つの用途(メール、Web、DB…)
  • 使い切れないリソースでも固定
  • 障害時の物理交換が必須

● 課題

  • コストが高い(筐体・ラック・電源・冷却)
  • 増減が難しい(調達に数週間〜数ヶ月)
  • 運用負荷が重い
    → ここから「もっと効率よく使いたい」というニーズが発生。

3. 仮想化の時代:ハードからの分離が始まる

● 2000年代前半〜:VMwareを中心に普及

  • ハイパーバイザーで1台に複数OSを載せられる
  • CPU/メモリの利用率が大幅に改善
  • 物理障害時もVM移動で復旧が早くなる

● メリット

  • サーバ統合でコスト削減
  • スナップショットでリカバリが楽
  • 構築の標準化が進む

● とはいえ課題も

  • 物理リソースの限界は残る(拡張時は結局ハード購入)
  • 運用はオンプレミスのまま(監視・パッチ・バックアップ)

→ 次の時代 「クラウド」 への橋渡しとなる。


4. クラウドの時代:インフラが“サービス化”される

● 2006年 AWS誕生以降、急速に変化

  • サーバ、ネットワーク、ストレージがAPIで“買える”世界
  • 初期投資ゼロ、必要なときに必要なだけ使える
  • 管理対象が減る(ハード・電源・設置不要)

● インフラの常識が変わるポイント

IaaS

仮想マシンをクラウドで提供(EC2、Azure VM など)
→ 仮想化の延長線で移行しやすい

PaaS

アプリ基盤(データベース、WebApp、Function)を丸ごと管理してくれる
→ 運用の負荷が劇的に減る

SaaS

アプリケーションそのものを利用(M365、Salesforce)
→ 保守の概念がなくなる


5. なぜ物理 → 仮想化 → クラウドへ進んだのか?(まとめ)

● 技術トレンドとしての流れ

  1. 物理
     → 1台1役で効率が悪い
  2. 仮想化
     → 物理利用率を上げたい
  3. クラウド
     → キャパシティ問題・運用負荷そのものから解放されたい

● 共通するキーワード

  • 抽象化
  • スケーラビリティ
  • 運用コスト削減
  • 俊敏性(スピード)

6. これから:コンテナ・サーバレスへ

  • クラウド後の主役は Kubernetes / Docker / サーバレス
  • さらに抽象化が進み「サーバを意識しない」世界へ
  • インフラエンジニアの役割も変化(IaC・SRE・運用自動化)

コメント

タイトルとURLをコピーしました