オンプレを学んだほうがクラウド理解が深まる理由とは?

はじめに

最近はクラウド(Azure・AWS・GCP)が主流になり、
「最初からクラウドだけ学べばよくない?」
と思う人も多いです。

しかし実は、
オンプレ(オンプレミス)の基礎を理解している人の方が、クラウド習得が圧倒的に早い
という大きな事実があります。

この記事では、なぜオンプレの知識がクラウド理解を加速させるのかを
わかりやすく解説します。


結論:クラウドは“オンプレの概念を置き換えただけ”だから

クラウドは、決して魔法のシステムではありません。

Azure の VM(仮想マシン)
→ オンプレの仮想サーバー(VMware / Hyper-V)と同じ概念

Azure の VNet
→ オンプレのネットワーク(VLAN / セグメント)と同じ概念

Azure Storage
→ オンプレのNAS・ファイルサーバーの置き換え

Azure AD(Entra ID)
→ オンプレADと認証の概念は同じ

つまり、
クラウドはオンプレの概念をクラウド事業者側が提供しているだけ

オンプレを知っているだけで、クラウドの理解が一気に深まるのはこのためです。


① ネットワークの基礎が分からないとクラウド構成が理解できない

クラウドは「仮想ネットワーク」なので、
オンプレのネットワーク概念をそのまま使っています。

例えば:

クラウド(Azure)オンプレ
VNetVLAN / 物理ネットワーク
サブネットサブネット(概念同じ)
NSGFWのACL
Public IPグローバルIP
Private IPプライベートIP

結論:
ネットワークを知っていると理解が深まります

私もVMwareやHyper-VやNutanixを経験していたため、裏の仕組みはすぐ理解できました!!

仮想マシンは「オンプレVMのクラウド版」

Azure VM を理解するには、
まず「オンプレの仮想化とは何か」を知る方が圧倒的に早いです。

【共通している概念】

  • CPU / メモリ / ストレージの割り当て
  • 仮想NIC
  • スナップショット
  • OSイメージ
  • 冗長構成
  • Hypervisor(ハイパーバイザー)という下層の存在

オンプレで VMware や Hyper-V を触っていると、
Azure VM の理解は数倍早くなります。

③ OS管理はオンプレでもクラウドでも変わらない

Azure VM を作っても中身は普通の Windows Server / Linux。

  • パッチ適用
  • ログ管理
  • セキュリティ設定
  • 役割インストール
  • アカウント管理

これらは オンプレと全く同じ です。

OS経験がないままクラウドから入ると、VM操作が“ただのブラックボックス”になる。

監視・バックアップ・冗長化もオンプレを学んだほうが理解しやすい

クラウドの監視やバックアップの仕組みを理解するには、
まずオンプレ側の本質を理解している必要があります。

オンプレ

  • RAID
  • クラスタ(WSFC)
  • Zabbix / SCOM
  • バックアップサーバー
  • ストレージレプリケーション

Azure

  • Availability Zone(可用性ゾーン)
  • VMバックアップ
  • Azure Monitor
  • Recovery Vault
  • Managed Diskの耐障害性

オンプレの冗長化やバックアップの“基本の考え方”を知っていると、
クラウドの各サービスの役割が一撃で理解できます。

⑤ 責任範囲(責務分担)を理解しやすい

クラウドの本質である
“Shared Responsibility Model(責任共有モデル)”
は、オンプレを知ることで理解が深まります。

✔ オンプレ

全部自分で管理(電源・ラック・機器・OSまで)

✔ IaaS

物理層はクラウド提供者、OS以降は自分

✔ PaaS

OS管理も不要(アプリだけ管理)

✔ SaaS

全てクラウド側が管理(利用者は使うだけ)

オンプレを知っていると:
「どこからどこまで自分が面倒見る必要があるのか?」が明確になります。

⑥ クラウドの“落とし穴”もオンプレ知識があれば回避できる

クラウド初心者がやりがちな失敗:

  • 無駄にVMを大きくして高額請求
  • NSGとFWルールをグチャグチャに
  • Storageアカウントを意味不明な構成に
  • 可用性ゾーンを理解せず単一構成で本番運用
  • Backupや監視を設定せずローンチ

これらの“ミスの本質”は、
オンプレの知識があればほぼ避けられます。

⑦ インフラ全体の「構造」が理解しやすい

クラウドは便利だけど、抽象化されているので
初心者には全体像が掴みにくい。

オンプレを知っている人

→ 物理構成 → 仮想化 → クラウド と“積み上げ理解”ができる
→ 何を、何のために、どう配置しているのか繋がる

いきなりクラウドから学ぶ人

→ “サービス名を覚えるだけ”になりがち
→ 本質を理解できず応用が効かない


まとめ:オンプレを学ぶとクラウドの理解は異常に早くなる

最後にポイントをまとめます👇

✔ クラウドはオンプレの概念を置き換えただけ
✔ ネットワーク・仮想化・OS・認証の知識はオンプレで身につく
✔ AzureのVMやVNetはオンプレの延長で理解できる
✔ 監視・バックアップなどの仕組みは本質が同じ
✔ 責任範囲モデル(IaaS/PaaS/SaaS)が理解しやすくなる
✔ クラウドの落とし穴回避につながる
✔ 全体構造を“物理→仮想→クラウド”の順で理解できる

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